東京都練馬区にある遊園地「としまえん」がついに明日8月31日をもって閉園しますね。
跡地の一部は、米映画大手のワーナー・ブラザースが人気映画「ハリー・ポッター」のテーマパークになること、東京都が防災機能を備えた公園を整備するのではないかということも明らかになりました。
でもいざ閉園となると気になるのが、そもそもなぜ閉園しなくてはいけなかったのでしょうか?調査してみました!
としまえんが閉園検討の理由はなぜ?
としまえんが2020年8月31日で閉園します。
【としまえん最後の週末 惜しむ声】https://t.co/jP3TzCtlMF
31日に94年の歴史に幕を閉じる「としまえん」が最後の週末を迎えた。世代を超えて、閉園を惜しむ多くの人が詰め掛けている。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) August 29, 2020
ずいぶん前にも報道がありましたね。
【NEW】
「としまえん」が8月末閉園 → 「ハリー・ポッター」のスタジオツター施設が2023年にOPEN小池百合子都知事は「ハリー・ポッターと都立公園の調和をはかりながら検討を進めてもらう」としています。
「としまえん」は6月15日から遊園地エリアを再開します。https://t.co/Qqr933VyNS
— ハフポスト日本版 / 会話を生み出す国際メディア (@HuffPostJapan) June 12, 2020
報道によれば、
都は2011年の東日本大震災後、防災対策の一環として大規模公園にする計画を決めた。
都は西武側に買収を提案したが、近年は交渉が停滞していた。
関係者によると、昨年頃からハリー・ポッターの施設を提案したワーナーが加わり、交渉が再び動き出した。
とのこと。
どうやら、きっかけの一つとしては、東京都が防災対策の一環として、としまえんがある一帯を大規模公園として整備したい意向があったようですね。
また、ワーナーが加わり交渉が再び動き出したということは、ワーナー側が提案した条件が、好条件だった可能性もあります。
一つずつみていきましょう。
としまえんが閉園検討の理由①東京都の防災対策・石神井川氾濫への備え
まず、小池百合子都知事が6月12日の定例発表にて・・・
小池百合子都知事は6月12日の定例会見で、西武鉄道や米映画大手ワーナー・ブラザースなどと覚書を締結したことを報告した。
引用:https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5ee320efc5b67b5d205f305a?ncid=tweetlnkjphpmg00000001
と報告。
さらに「ハリー・ポッターと都立公園の調和をはかりながら検討を進めてもらう」ということで、かなり都政が絡んでいることは間違いなさそうです。
東京都都市整備局の資料「重点化を図るべき公園・緑地の選定 – 東京都都市整備局」によれば、
震災から市街地の安全を確保する上で、公園・緑地は欠くことのできない施設です。
さらに、公園・緑地の整備に伴う緑の保全・創出とともに、浸透トレンチ*等の雨水貯留浸
透施設の設置、洪水調節池*等の整備との連携、水害時の避難地の確保等により、都市型水害
等の軽減にも寄与することができます。
首都東京の防災性の向上のためには、こうした公園・緑地の整備、拡充を重点的に進める
ことが必要です。
とあります。
特に、公園や緑地が防災に重要な理由としては
- 避難場所や避難路の確保
- 延焼の防止
- 都市型水害等の軽減
などがあげられるそう。
普段遊びに行っているような都内の公園も、実は防災機能が整っている公園だったりします。

引用:toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp
特に三番目の都市型水害対策に注目で、としまえんがある場所に流れてる「石神井川」は、東京都の水害シミュレーションにおいて
「要注意」とされている河川。
練馬区も、「石神井川が氾濫した場合の浸水継続時間」を積極的に公表して注意を呼び掛けているのです。

引用:https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/bosai/suigai/hazardmap.files/gakusyuumenn.pdf
(練馬区在住の方はぜひご覧ください↑)
練馬区の水害ハザードマップを見ても、、、としまえんの中も浸水になるという予想が。。。

引用:https://www.city.nerima.tokyo.jp/suigaihazardmap.html/ura/map.html
(練馬区在住の方はぜひご覧ください↑)
黄色:0.5m未満(大人の膝まで)、緑:1m未満(大人の腰まで)の浸水なので、結構な高さまで浸水しますよね…。
そんなわけで、としまえんを防災機能を高める緑地公園としたいという東京都の思いがあり、買収を提案したとみられます。
としまえんが閉園検討の理由②としまえん経営不振
報道によれば
1926年に開園した「としまえん」は、ピーク時には390万人だった来場者数が、2018年度は112万人まで落ち込んでいた。
引用:www.fnn.jp
と、入場者数の確保に苦しんでいたことがわかります。
としまえんの親会社である(株)西部ホールディングスの年次報告書の、としまえんを含む「都市交通・沿線事業」の業績を見てみると

営業収益が2年前より微小ながら減少傾向にあることがわかります。
ハリーポッタースタジオを要するワーナーブラザーズがいくらで買収額を提示したのかは、明らかにされていませんが、
都は2011年の東日本大震災後、防災対策の一環として大規模公園にする計画を決めた。
都は西武側に買収を提案したが、近年は交渉が停滞していた。
関係者によると、昨年頃からハリー・ポッターの施設を提案したワーナーが加わり、交渉が再び動き出した。
とありますので、西武グループ側にとっても「悪い話ではない」金額なのでは?と予想されます。
日本の遊園地経営が厳しい状況であることはよく知られた話ですし、西部グループは70年以上経営を続ける「西部園ゆうえんち」も保有しているので、
経営状況を考えて「としまえん」を手放す検討を進めているのかも??しれません。(※個人的な推察です!!)

まとめ
としまえんが閉園する理由として、東京都の防災対策(特に都市型水害対策)、としまえんの入場者数減少と親会社の経営状況のデータをご紹介しました。
経営状況については仕方ないものの、としまえんに思い出がある人にはつらい報道ですね…。
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