2019年秋の褒章受章者に選ばれた漫画家の秋本治さん。集英社の「週刊少年ジャンプ」で40年間連載した「こちら葛飾区亀有公園前派出所」、通称「こち亀」の作者です。
そんな秋本さんは、2016年まで40年間の間一度も休むことなく連載したことでも知られています。2009年にご出演された「情熱大陸」では、秋本さんの漫画家生活が余すところなく放映され、話題となりました。
面白い名言も飛び出しつつ、とっても学びが多かったので、まとめてみました。
Contents
秋本治氏・こち亀のプロフィール
(出典:www.nikkei.com)
誕生日:1952年12月11日(66歳)
住まい:東京都葛飾区亀有
受賞歴:第30回日本漫画家協会賞大賞
第50回小学館漫画賞審査委員特別賞
第21回手塚治虫文化賞特別賞
第48回星雲賞コミック部門
第64回菊池寛賞
第67回芸術選奨文部科学大臣賞
連載誌:『週刊少年ジャンプ』
連載期間:1976年から2016年まで
発行巻数:全200巻(当時の日本記録)
累計発行部数:累計1億5,650万部
アニメ:フジテレビ系列にて1996年から2004年に放映
ドラマ:TBS系列で2009年に放映
実写映画:東映系劇場で1977年に公開
松竹系劇場で2011年に公開
主なあらすじ:
亀有公園前派出所に勤務する、破天荒な警察官の両津勘吉(通称「両さん」)が、同僚や地域の人と繰り広げる出来事を題材にしたギャグ漫画。
秋本治氏が「情熱大陸」で明かした名言・ライフスタイル
秋本治氏は、密着ドキュメンタリー番組「情熱大陸」に出演した際に、40年間もの間休載することなく、コンスタントに漫画を描き続けられた秘訣、ライフスタイルについて語っています。
どんな環境でどんな風に仕事をしているかについても、忌憚なく回答してくださっています。
それによると・・・
- 仕事場は葛飾区にある「アトリエびーだま」。
- 毎日のスケジュールががっちり決まっている。
今夜のZEROカルチャーは、40年の連載に幕を下ろした人気漫画「こち亀」の作者・秋本治さんです。先週、新作を4つ同時に連載することを発表した秋本さん。その原動力はどこから来るのか?ZEROは、連載終了後初めて仕事場へテレビカメラが入ることをゆるされました。 pic.twitter.com/bJiAijKiNz
— news zero (@ntvnewszero) 2016(e)ko abenduaren 5(a)
秋本治氏のスケジュールがこちら。
- 7時〜12時(仕事)
- 12時〜13時(昼食)
- 13時〜17時(仕事)
- 17時〜18時(夕食)
- 18時〜20時(仕事)
朝の7時から夜の8時まで、ご飯休憩を除きずっとお仕事しています。
さらに、スケジュール管理におけるルールも明確です。
- 時間になれば仕事は終了させ、残業は滅多にしない。もし仕事が残っていれば家に持ち帰る。
- アシスタントさんは7名。出勤・退勤時は必ずタイムカードを打刻する。
漫画家といえば、深夜まで書き続けるイメージがありますが、このような規則的な生活を送ることが40年という長期連載を安定的に続けるポイントなのですね。
「アシスタントさんの生活を安定させたい」とも語っており、全員にクリスマスプレゼントをするなど、一緒に働く仲間のこともきちんと考え、気遣いする姿勢は尊敬です。
ちなみに、昼食はいつも奥様が作られたお弁当だそうですよ。
アトリエ以外の「第2の仕事場」もあるそう。
- 週1回、ファミレスでネーム作業
- 開店と同時に開始、夜の7時まで計9時間ぶっ通しで作業
- 席を立つのは、トイレとコーヒーのおかわりの時だけ
ネームを書くときはとにかく集中をしていたことがわかります。
それにしても、ファミレスで「両さん」のネーム作業…偶然居合わせたファンはたまらなかったでしょうね。
秋本治氏「情熱大陸」で明かした制作秘話
ネタ元や「両さん」を描くときのポイントなど、制作秘話も明かされていました。
- 右利きで、漫画を書くときはいつも右手に白い手袋をしている
- これまで描いた原稿は全て自分で管理している
- 特技は「締め切りに遅れないこと」
- ネタ元は「新聞」。理由は、テレビだと一気に全国に広まってしまうが、新聞は読んでいる人が少ないから。
- 両さんを描くときにはいつも眉毛から描く。理由は、両さんの眉毛はちょうど中心に来るので、目とか鼻のバランスが取りやすいから。
- 小物や背景の細部まで、細かく再現する。足と目で取材がモットー。
例えば、「警官の制服からベルトがどの程度見えているか」「バッグのボタンの数」など写真を見て再現。浅草の遊園地「花やしき」の門が新しくなった事も、漫画に反映。 - 4ページ目までが勝負だと思っている。4~5ページ目まで飽きずに読めるなら一気に読んでもらえる。
「神は細部に宿る」と言いますが、まさにその言葉通り。「いつも笑わせる」漫画を描くためには、知られざるこだわりと努力があるのですね。
ちなみに、ギャンブル好きの両さんに対し、秋本さんはギャンブルはやらないそうです笑。
秋本治さん「情熱大陸」で明かした漫画への情熱
個人的に一番響いたのが、「こち亀」を長く続ける情熱についてです。
(出典:r25.jp)
「飽きたりすることはないんですか?」の質問に対し、「10年目、20年目の節目に考えますよ。自問自答して「よし!新キャラ出してみよう」とか、別な展開を考えてみよう、とか工夫します」と回答。
さらに、「ありがたいことに、好きなことが仕事になって、締め切りを守ったら褒められる。昔は漫画かいてて怒られたから、こんな良いことはないですよ」と続け、「この年になっても面白いものができて、『早く読者に見せたいな』っていうのがあるんで、それが一番魅力なのかな?」と語っています。
撮影当時は2009年なので、連載開始から約33年ほど。
33年続けてきて「面白いものができた」「早く読者に見せたい」って気持ちが湧くのって、本当にすごいなと思います。
やはり続けるためには「漫画を描くのが好き」ということに尽きるのですね。漫画家でなくても私たちが何か一つのことを続けるための秘訣でもあるなと思いました。
まとめ
「こち亀」の作者、漫画家の秋本治さんが「情熱大陸」で明かしたライフスタイルと制作秘話、続ける秘訣についてご紹介しました。
ちなみに、「秋本治が怒っていることは?」と聞かれ、「情熱大陸の収録が長い(密着3ヶ月間)」とおっしゃっていたのは、大名言かな~と個人的には面白かったです。
自分のペースで漫画を描き続けるために、少し邪魔に思えたのかも?笑。
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