イギリスの覆面アーティスト・バンクシーの後ろ姿らしきものが公開されて話題になっています。
世界の様々な壁などに絵を描いているストリートアーティストながらも、時には美術館に忍び込み勝手に作品を展示するなど、ユニークな活動でたびたび話題になっているバンクシー。
バンクシーと言えば、大手競売会社サザビーズのオークションにて、落札決定した自身の作品を、自ら仕込んだシュレッダーでバラバラにするという、歴史的事件を仕掛けました。
一体、なぜ落札された自らの作品をシュレッダーしたのでしょうか?みんなの見ている前で自動的にシュレッダーができた仕掛けは?バンクシーのシュレッダー事件の謎に迫ります。
バンクシーとは?後ろ姿は公開?
バンクシー(Banksy、生年月日未公表)は、イギリスを中心に活動する覆面芸術家。
1990年代からイギリスのブリストル周辺で活動開始したといわれています。
(出典:yahoo.co.jp)※バンクシー本人と思われる後ろ姿
社会風刺的・反権力性など、メッセージの強いグラフィティアートを世界各地の街中の壁にゲリラ的に描くことで知られています。
日本では、千葉県の九十九里浜
(出典:yahoo.co.jp)
東京都内各でも複数発見されています。
(出典:yahoo.co.jp)
小池知事も訪れています。
日本全国約10か所程度で目撃されていますが、本人と確認する手段がないため、そのまま保管してあるところもあれば、上からペンキを塗って消されてしまっていることも…。
2005年には、世界的権威のあるイギリス大英博物館の展覧会「I object」にて、人気のない部屋に無断で展示。自身のサイトで警告するまでの3日間、大英博物館は気付かず展示し続けてしまったという逸話もあります。
In 2005, #Banksy installed this ‘cave painting’ in one of our galleries without permission, and without anyone noticing. He gave it a fake ID number and label, and it remained on the wall for 3 days before the Museum was alerted to the prank via Banksy’s website!🤦♀️ #IObject pic.twitter.com/ed4rq8YxbJ
— British Museum (@britishmuseum) 2018年8月30日
その後大英博物館は、「世界中の異議や抗議の歴史を示す作品」として、正式に展示すると公式ツイッターで発表しました。
バンクシーが落札後にシュレッダーしたのはなぜ?
2018年10月5日、老舗オークションハウス「サザビーズ」で、バンクシーの作品「風船と少女」が競売にかけられました。
2006年にバンクシー本人から直接購入した所有者がオークションにかけたようです。
まずは、その時の動画が残っているのでご覧ください。
約1億5000万円(140万ドル)で落札が決まった直後、警報音が鳴り、自動的に絵がシュレッダーにかけられていきます…!
バンクシーが自らの作品をシュレッダーにかけた理由は、「ストリートアートは売り物ではないと主張したかったから」。
一部の富裕層がアートを所有し、オークションでアートを売買するサザビーズや既得権益に対してメッセージを発信したかったのでしょう。
裁断後の作品タイトルは「Girl With a Balloon(少女と風船)」から「Love Is in the Bin(愛はごみ箱の中に)」。
20年以上、ストリートで活動を行ってきたバンクシーの強い思いを表明するためには、むしろ競売の場所はうってつけだったのかもしれません。サザビーズは、「我々はバンクシーにまんまとやられたようだ」とコメントしています。
また、2019年10月には、自身のインスタグラムで「今夜、オークションで、バンクシーの作品セットが記録的な価格で落札された。自分で所有していないことを恥じる」とキャプションに書いて投稿。
自分のコントロールできないところで、アートが売買され、一部の人間の私腹が肥やされていくていくことに批判的な姿勢を貫いています。
NYタイムズ誌に、「ストリートアートは創造された場所にあるべきだ。そもそも売るために描かれた絵ではない物を、オークションで買わないようにしてほしい」と語ったことも有名な話です。
バンクシーがシュレダーした仕掛けを公開
バンクシーは後日、自身のインスタグラムで、「数年前、絵の中に密かにシュレッダーを仕込んだ。万が一オークションにかけられたときのために」というタイトルで、仕掛けを施している様子を全て公開しています。
※現在は削除されています※(※削除したのもさすがと思わせる・・・)
キャプションには、「. “The urge to destroy is also a creative urge” – Picasso」「破壊衝動は創造的衝動でもある」というピカソの言葉を引用しています。
ローラーの間にシュレッダーを仕込み、自動的に動いて裁断される仕掛けです。これを自分で作れてしまうのもすごいですよね…。
途中、バンクシー本人のお顔が映っていますが、丁寧にモザイクがかかっています笑。
オークション会場にバンクシー本人がお忍びで来ており、遠隔操作でスイッチを入れたといわれています。
バンクシーのシュレッダーは失敗?
ちなみに、オークションの場では、作品は半分しかシュレッダーされなかったので「バンクシーのシュレッダーは失敗?」ともささやかれています。
本人は、シュレッダーの仕掛け動画を公開した際、「リハーサルでは毎回うまくいっていた」というコメントもしていることから、失敗だったのでしょう笑。
ただ、作品をシュレッダーにかけ、「ストリートアートは売り物ではない」という主張をするという目的は達成されたのではないでしょうか。
まとめ
バンクシーの作品が落札後にシュレッダーされた理由、仕掛けについてご紹介しました。
オークションの場で、自身の作品を自らの手でシュレッダーしたのは、「ストリートアートは売り物ではない」「勝手に売買するな」という強い強いメッセージが込められていたのですね。
でも、個人的にはバンクシーの作品からは温かさや愛情を感じます。これからもバンクシーの活動や作品には要注目ですね。
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