日本のお札が、20年ぶりに刷新されます。
新一万円札の「顔」は昨年の大河ドラマで知られる渋沢栄一です。
渋沢栄一がなぜ、新一万円札に選ばれたのか?
新一万円札の肖像に選ばれるまでのエピソード、渋沢栄一の功績について解説していきます。
Contents
渋沢栄一がお札に選ばれたのは2回目!
引用:アマゾン
お札のデザイン
日本のお札は人物の肖像が描かれていることが多いです。
なぜかというと、
『人は、顔の特徴や違いを識別する能力が優れているらしく、偽造されたお札の小さな変化にも気づくことができるため、偽装防止として肖像を採用されている』
と言われています。
肖像画の採用基準は
お札は、全ての人が使用するものなので、その人物が国民各層から知られ、認められていて、精密な写真を入手する人物であること
が基準とされています。
【お札について】
何とお札のデザインが変わると聞いてビックリしました。1万円札は渋沢栄一さんになるとか
しかしこれで福澤諭吉さんの時代が終わった訳ではありません
なんと聖徳太子は今まで7種類のお札にしつこく登場しているんです
次のデザイン変更にもチャンスはあります。諦めないで下さい pic.twitter.com/Eb4pvb9ujI
— 探偵 Aさん (@tantei_A) April 8, 2019
渋沢栄一のお札選出|1度目(最初)は落選
渋沢栄一は、1963年(昭和38年)に発行された1,000円札の候補にあがりました。
このときは、最終的に伊藤博文に決まり、渋沢栄一は落選しました。
落選した理由は「髭(ひげ)が無い」ためでした。
当時の緻密(ちみつ)に描き込まれた髭は、偽造防止に有効とされていたためでした。
金をいくら稼いだとかはどうでもいいし、そんなもんじゃ歴史に名は残らんので、伊藤博文、渋沢栄一のように何をしたかが語られるような、文化や仕組み、制度を作ることにこの命を賭したい。
いくら金を稼ごうがそれは人から取ってきただけだけど、文化や事業、仕組みは価値を生み出してるから憧れる。
— き つ ね@アフィとアド (@__seofox__) June 9, 2022
渋沢栄一のお札選出|2度目(今回)で当選
1985年(昭和60年)ころからお札の偽造防止の技術が進んだため、髭のない男性や女性の肖像を採用するようになりました。
髭のない渋沢栄一でしたが、偽造防止技術が進んだため、肖像について今回は問題ありません。
各分野で業績を残すとともに、産業の育成、女性活躍、科学の発展といった面からも日本の近代化をリードし大きく貢献した人として、一万円札には渋沢栄一が決定しました。
渋沢栄一の功績については、このあとおはなしします。
お札のエピソード
実は、渋沢栄一の肖像は、海外のお札で使用されていました。
明治時代後半、日本とロシアは朝鮮半島の支配権をめぐり、日露戦争がはじまりました。
この戦争に日本は勝利し、朝鮮半島の支配権をとります。
植民地化を進めるため、朝鮮半島で当時現地で使用されていた通貨を回収されることとなり、新たに日本の通貨「第一銀行券」を発行されました。
この「第一銀行券」のお札に、当時、頭取に就任していた渋沢栄一の肖像が使われていました。
朝鮮半島で渋沢栄一のお札が一時的でも使用されていたため、今回のお札刷新について、韓国では批判的な意見も出ています。
「植民地支配の被害国への配慮が欠けているとの批判が予想される」。渋沢栄一が新たな1万円札に描かれる紙幣刷新について、韓国メディアは批判的に報じました。https://t.co/2eaZBNQPEr
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) April 9, 2019
渋沢栄一の功績を紹介!
実業家として日本経済の発展に尽くした渋沢栄一。
渋沢栄一は1840年(天保11年)に埼玉県深谷市で生まれ、幼少期は郷里の村落で過ごしました。
青年期を過ごす頃、日本は鎖国状態でした。
ただ、ちょうど黒船が来航したタイミングで、開国を迫られていました。
そんな情勢の中、渋沢栄一は尊王攘夷運動に加わり、倒幕計画にも加担していましたが、失敗に終わります。
渋沢栄一は、【穏やかな経済人】だと思っている人が多いですが、若い頃はイケイケで、豪農の長男から武士になり、尊王攘夷運動をして、【近所の高崎城を奪い、横浜の外国人居留地を焼き討ちにする】という豪胆な計画を立てたりしていました。w pic.twitter.com/RegoYih1gV
— いたがき歯科クリニック (@itagakishika) June 28, 2021
その後、徳川家に随行しパリ万博を視察するため渡仏しますが、その間日本では大政奉還が行われ江戸時代の終焉をむかえます。
ヨーロッパから帰国した渋沢栄一は、明治政府からの要請で大蔵省の官僚となります。
33歳で大蔵省を退職し実業家への道に進みます。
実業家になった渋沢栄一は、次の数々功績を残しました。
日本で最初の銀行を設立
渋沢栄一は、大蔵省を退官後、最初にフランス留学時代からの夢であった銀行を「第一国立銀行」という名前で設立しますが、現在の「みずほ銀行」です。
第一国立銀行の頭取に就任後も、地方への銀行開業にも支援します。
銀行業者は他の商工業者よりも上位に立つものにして、人に重んぜられ且つ名誉あるものなり。従ってその責任の重きことを常に心掛けざるべからず、殊に第一銀行は銀行中の先鞭を付けしもの故、銀行者中にも重んぜられ名誉あるものなり。而してそれだけ又人の注目を惹くものたることを忘るべからず。
— 渋沢栄一_Bot (@ShibusawaEiichi) June 19, 2022
企業の設立
渋沢栄一は、より良い社会の実現のために、様々な業種から500社を超える企業を設立しました。
いくつかの企業を紹介します。
・王子製紙(現在 王子ホールディングス)
銀行とともに最初に携わった事業。上質で安価な紙を製造するために国産化を推進。
・大阪紡績(現在 東洋紡株式会社)
欧米で安価で大量生産される綿製品に対し、コストを抑えた大量生産方法を確立。
・札幌麦酒会社(現在 サッポロビール)
日本初のビール醸造所を備えた。
・東京地下鉄道株式会社(現在 東京メトロ)
アジア初の地下鉄路線を創業。
渋沢栄一が携わった企業の約6割がまだ現存しているらしい
漫画で読むと改めてスゴイ人なんだなと感動しました引用:『漫画版 論語と算盤』講談社#朝活 #読書好き pic.twitter.com/Blytztu54Z
— ねず@リベ大生 (@FIREMACCHO) June 20, 2022
ちなみに「論語と数盤」 についてはこちらで詳しく説明してます。
学校の設立
渋沢栄一は、日本の産業を発展させるためには、優秀な人材を育成しなければならないと、学校の設立にも尽力します。
深谷商業高等学校記念館
🏚️
商業学校(渋沢栄一や大谷藤豊の尽力にて開校)の学び舎として、大正11年に造立。フレンチ・ルネサンス様式を基調とした和洋折衷の木造2階建。保存修理時に外壁を、それ迄の白色から大正期の色に復元。
🏠
こんな素敵な学校に通いたかった。#おうちで建築巡り #近代建築 pic.twitter.com/TnKosZv82c— 小口善左衛門📷地姿の記憶✒️或は流文 (@13zenzaemon) May 27, 2020
社会貢献活動に尽力
渋沢栄一は、77歳で実業界引退しますがその後も、社会貢献活動に尽力していきます。
中でも、「養育院」(現在 東京都健康長寿医療センター)は、生活困窮者などを救済するために設立された施設です。
渋沢栄一は1872年(明治5年)10月15日に東京養育院(現・東京都健康長寿医療センター)を創立、初代院長に就任した。渋沢はこの養育院の事業を自らのライフワークとし、1931年に亡くなるまで院長を務めた。#青天を衝け pic.twitter.com/xS6vC0F5zM
— 令和の土星人。’22@ワクチン3度接種&インフル接種完了 (@4568Ts) November 7, 2021
渋沢栄一は、事業で得た財産を、「養育院」の運営に活用しました。
その他、「東京慈恵会」「日本赤十字社」などの設立にも貢献し、約600の社会事業に携わりました。
渋沢栄一の1万円札はいつから?
渋沢栄一の新一万円札は2024年(令和6年度)上半期からお目見えします。
今回の新しいお札では、下記の最先端の偽造防止技術が施されています。
・3Dホログラム(世界初) : 見る角度によって肖像が浮き上がって見える。
・高精細すき入れ : 光に透かすと模様が浮かぶ。
・潜像模様 : お札を傾けると表面は額面数字、裏面には「NIPPON」の文字が浮かび上がる。
・パールインキ : お札を傾けると中央部にピンク色の光沢が見える。
・特殊発光インキ : お札を傾けると文字が青緑色から紫色に変化して見える。
・マイクロ文字 : カラーコピー機でも再現できない小さい文字。
2024年度上期に発行予定の新紙幣には、新たな偽造防止技術が盛り込まれます。以前「高精細すき入れ」を紹介しました(https://t.co/vG8jOoUV99)が、本日は「3Dホログラム」を紹介します!紙幣を傾けると、顔の向きが変わる最先端技術を用いた3Dホログラムが搭載される予定です♪ pic.twitter.com/e3WdkkskUl
— 独立行政法人国立印刷局 (@NPB_IAA) January 31, 2022
まとめ
今回は、渋沢栄一が新一万円札の肖像に選ばれた理由、日本経済を発展された数々の功績について紹介しました。
自分だけが儲けることをせず、社会のため、公益のために考え、行動を起こした渋沢栄一。
自身の考えを記した「論語と算盤」は現在の企業経営者の教養書になっています。
2024年度上期に発行予定の新紙幣には、新たな偽造防止技術が盛り込まれます。以前「高精細すき入れ」を紹介しました(https://t.co/vG8jOoUV99)が、本日は「3Dホログラム」を紹介します!紙幣を傾けると、顔の向きが変わる最先端技術を用いた3Dホログラムが搭載される予定です♪ pic.twitter.com/e3WdkkskUl
— 独立行政法人国立印刷局 (@NPB_IAA) January 31, 2022
昨今の企業においては、利益優先で社員に重労働を課す「ブラック企業」や、経営者の不祥事も起こっています。
新一万円札を取ったとき、日本経済、資本主義のあり方について、一人一人が見つめ直すこともあってもはいいのではないかと。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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