酉の市|熊手の値段や買い方って?飾り方などもまとめてご紹介!

毎年11月に入ると開催される「酉の市(とりのいち)」。皆さんは聞いたことがありますか?

関東を中心に全国の神社やお寺で開催される伝統行事なのですが、関東在住でもよく知らないという人も多いかもしれません。

この記事では、そんな「酉の市」について、熊手の値段や買い方、飾り方などを詳しくご紹介していきます。ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

スポンサーリンク

酉の市とは?

画像引用:ぱくたそ

11月の酉の日に神社やお寺で開催される「酉の市」

「熊手」や「招き猫」などの縁起物を買って、1年の無事を報告し、翌年の開運や商売繁盛を願います。新年の準備の一つですね。

そんな酉の市がどうして関東を中心に行われているのか。まずは酉の市の由来から説明していきましょう!

 

酉の市の由来

酉の市の起源には諸説あって、「仏教説」「神道説」「農民たちの収穫祭」の三つが最もよく知られています。

●仏教説

画像引用:日蓮-Wikipedia

鎌倉時代、文永2年(1265年)宗祖、日蓮大聖人が上総国鷲巣(かずさのくにわしのす-千葉県茂原市)の小早川家(現在の大本山鷲山寺)に滞在の折、国家平穏を願って祈ったところ、にわかに明星(金星)が動き出し不思議な力をもってして現れ出でたと伝わるのが鷲妙見大菩薩です。それは11月酉の日のことでした。

引用:浅草 西の寺・鷲在山長國寺ホームページより

上記にちなんで、11月の酉の日に開帳されるようになったということです。

●神道説

鷲神社は天日鷲命(あめのひわしのみこと)日本武尊(やまとたけるのみこと)をお祀りした由緒正しい神社です。現在は「おとりさま」として一般にも親しまれ崇敬を集めており、また十一月の例祭も現在は「酉の市(とりのいち)」として広く知られています。

社伝によると天照大御神が天之岩戸にお隠れになり、天宇受売命が、岩戸の前で舞われた折、弦(げん)という楽器を司った神様がおられ、天手力男命が天之岩戸をお開きになった時、その弦の先に鷲がとまったので、神様達は世を明るくする瑞象を現した鳥だとお喜びになり、以後、この神様は鷲の一字を入れて鷲大明神、天日鷲命と称される様になりました。
天日鷲命は、諸国の土地を開き、開運、、殖産、商賣繁昌に御神徳の高い神様としてこの地にお祀りされました。

後に日本武尊が東夷征討の際、社に立ち寄られ戦勝を祈願し、志を遂げての帰途、社前の松に武具の「熊手」をかけて勝ち戦を祝い、お礼参りをされました。その日が十一月酉の日であったので、この日を鷲神社例祭日と定めたのが酉の祭、「酉の市」です。この故事により日本武尊が併せ祭られ、御祭神の一柱となりました。

引用:浅草 鷲神社公式ホームページより

ちなみに、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東夷征討の際に戦勝祈願を行ったのは、埼玉県久喜市にある鷲宮神社と言われていて、日本武尊は別宮を建てて天穂日命(あめのほひ)と武夷鳥命(たけひなどりのみこと)を祀ったとされています。この別宮が現在の本殿である鷲宮神社です。鷲宮神社では12月の初酉の日に大酉祭が行われています。

画像引用:ヤマトタケル-Wikipedia

 

●農民たちの収穫祭

画像引用:酉の市とは-コトバンク

江戸時代から、花又村(現在の東京都足立区)では、農民たちによる秋の収穫祭が行われていました。この祭りでは、収穫物や農具が市に並んでいたようです。これが酉の日の市です。

祭りの際、農民たちは鶏大明神とも呼ばれ鶏を神と祀っていた鷲大明神に、生きた鶏を奉納していました。そして、祭りが終わると浅草寺観音堂前に放っていました。

鷲大明神前が川に面していたこともあり、酉の日の市にはたくさんの人が参詣に訪れました。そのため、社前では辻賭博が開帳されていましたが、安永2年に賭博禁止令が出されたことで次第に衰退していきました。

それに代わるように、浅草の鷲大明神の酉の市が盛り上がりを見せていきました。新吉原が近かったことも大きくかかわったようです。浅草の酉の市は、現在でも盛大な酉の市として開催されています。

スポンサーリンク

なぜ熊手?

熊手は、もともとは農具として売られていましたが、なぜ縁起物となったのでしょうか。それにはさまざまな理由があります。

画像引用:ぱくたそ

 

熊手が縁起物といわれるようになった理由

●「運をかき集める道具」「金銀をかき集められる道具」
熊手は落ち葉をかき集める道具なので、その「かき集める」から「運をかき集められる道具」とか「金銀をかき集められる道具」と言われるようになりました。そして、さまざまな縁起物を飾って「商売繁盛」「招福」の意味が込められるようになりました。

●「運や福を鷲掴みする」
熊手は、鷲が獲物を掴む爪の形に似ていることから、「運や福を鷲掴みする力がある」と言われるようになり、縁起物となりました。

●勝利を祈願して奉納された「軍扇」
その昔、戦場へと赴く際に、勝利を祈願して「軍扇」を奉納しました。そして、勝ち戦から戻ってくると、熊手のような形になっていたそうです。そのことから、開運や勝利を招く道具として熊手が縁起物とされるようになりました。

 

 

酉の日とは

そもそも酉の日とはどうやって決めているのでしょう?

日本では「十二支」があって、12年に1回年の干支がめぐってきますよね。同じように「日」にも干支があって、12日ごとに干支がめぐってきます。毎月同じ干支が少なくとも2回、多くて3回はめぐってくることになります。

ちなみに、11月の最初の酉の市は「一の酉」、2回目は「二の酉」、3回目は「三の酉」と呼ばれます。

酉の市が開催されるのは酉の日となっているため、毎年固定ではありません。回数も2回、3回と変わるためわかりにくいですね。2021年~2025年までの酉の市の日程はこんな感じです。

2021年~2025年 酉の市の日程

●2021年
一の酉・・・11月9日
二の酉・・・11月21日
三の酉・・・なし

●2022年
一の酉・・・11月4日
二の酉・・・11月16日
三の酉・・・11月28日

●2023年
一の酉・・・11月11日
二の酉・・・11月23日
三の酉・・・なし

●2024年
一の酉・・・11月5日
二の酉・・・11月17日
三の酉・・・11月29日

●2025年
一の酉・・・11月12日
二の酉・・・11月24日
三の酉・・・なし

「三の酉がある年は火事が多い」という言い伝えがあるため、ふだんよりも火の用心が呼びかけられたり、火除け守りを出すお寺もあるそうですが・・・東京消防庁の消防雑学辞典によると、実際に火事が増えたという記録はないようです。

ではなぜそんな言い伝えが残ったのでしょうね?

それは、三の酉のころは本格的に寒くなるので火を使う機会が増える、という説や、吉原が近かったために参詣の帰りに男性が立ち寄ることが多く、留守を守る女性が亭主を引き留めるために俗信を作った・・・という説などがあるようです。

スポンサーリンク

酉の市|熊手の値段はいくらくらい?

酉の市で売られている熊手は、大きさなどで値段が違い、500円~数十万円となっているようです。


10000円~50000円のものが人気があるようですが、数万~のものは個人ではなく企業なんかが買うイメージです。

それにしても、いろんな種類の熊手がありますね!


スポンサーリンク

酉の市|熊手の買い方や飾り方を紹介!

画像引用:pixabay

「熊手を買うのにルールがあるの?」そう思われる方も多いのではないでしょうか。ここでは熊手の選び方や購入の仕方、飾り方などを説明していきます。

熊手の選び方

熊手は、前の年よりもたくさんの運や福をかき集められるように、1年ごとに少しずつサイズを大きくしていきます。ですので、最初に豪華で大きいものを選んでしまうと、次の年からが大変なことになってしまいます!

前の年よりも小さいものを購入すると、運気が下がってしまうと言われているので、大きさ選びは大切ですね。ちなみに、サイズがない・・・という場合は、前の年と同じ大きさでも良いようです。

 

熊手の買い方

昔から伝わる酉の市での熊手の買い方の手順は次の通り。

 

熊手の買い方

1.熊手の値段を聞いたら3回ほど値切る

2.値切る前の金額を支払う

3.おつりをご祝儀として店主にわたす

4.手締めをしたら終了

 

なぜ値切ってから元値を支払うのかというと、交渉後にご祝儀を渡して大金持ちの気分を味わい、店主はご祝儀をもらって良い気分になる・・・という、昔の酉の市の楽しみの一つだったからとされています。

双方がいい気分になれる、素晴らしいですね!

でも、最近ではこのようなやり取りはしないお店も増えているようです。あの人数で皆さんにやっていたら、回りませんものね。

 

熊手の持ち帰り方

購入した熊手は、正面(飾りがついているほう)を前に向けながら、なるべく高く掲げて持ち帰ります。これは、できるだけ多くの福をかき込むためだそうです。

でも、家まで担いで帰るのはちょっと気が引けるかもしれませんね。そんな場合は、神社の境内を出るまでは高く掲げて歩きましょう。

 

熊手の飾り方

熊手は頭よりも高い場所に飾ります。

基本的には神棚や仏壇に飾りますが、他の場所でもOK。なるべく人が集まる場所に飾りましょう。

玄関に飾る場合は、入り口に向けて飾ります。そのほかの場所に飾る場合は、東(仕事運)、南(地位や名誉)、西(金運)のいずれかに向けます。北に向けて飾るのは避けたほうが良いようです。

ちなみに、神棚や仏壇に飾る場合は、方角を気にしなくても良いそうですよ。

 

熊手の処分の仕方

酉の市に行く際には、前年の熊手を持って行くようにしましょう。「熊手納め所」が設けられているので、1年間の感謝を込めながら納めます。

酉の市で納められなかった場合は、年末年始に設置される「御札納め所」へ納めたり、年明けに行われる「どんど焼き」でお焚き上げしてもらうのも良いでしょう。

どうしても納められなかったり、お焚き上げにも持って行けない場合は、お住いの自治体のごみ分別ルールに従って処分してください。この場合も、1年の感謝を忘れずに!

画像引用:ぱくたそ

↓↓↓ こちらの記事もおすすめ ↓↓↓

まとめ

酉の市について、その由来や熊手のことを書いてきましたがいかがでしたか?

まとめると以下のような感じです。

 

ここにタイトル

●起源としては「仏教説」「神道説」「農民の収穫祭」の三つが有名

●熊手は、その形から「運や金銀をかき集める道具」「運や福を鷲掴みにする」「開運や勝利を招く道具」として縁起物とされるようになった。

●11月の酉の日に開催され、3回ある年には火事が増えると言われていて、火の用心が呼びかけられたり、火除け守りを出すお寺もある。火事が増えると言われる理由としては、寒くなって火を使うことが増える時期だからだとか、吉原が近くにあったことがあげられている。

●熊手を買う際には3回値切って、元値で払う。おつりはご祝儀として店主に渡すのが粋な買い方。相場は500円~数十万円。

●1年ごとに少しずつ大きくしていくため、最初は小さいものから購入することをおススメ。

●熊手は高く掲げながら持ち帰り、頭より高い位置に飾る。基本的には神棚や仏壇が良いが、別の場所でもOK。その際には東西南のいずれかに向けて飾る。玄関の場合は入り口に向ける。

●熊手の処分は、熊手納め所・御札納め所・お焚き上げ・自治体のごみ回収など。1年の感謝を忘れずに。

熊手を一つ買うのにも、選び方から買い方、飾り方など、決まりごとがあったことに驚きました!

酉の市には本当にたくさんの熊手や、他にも縁起物といわれるものがたくさん並んでいます。見ているだけでも楽しいかもしれませんね!

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。